エッチング液などの薬品による防食作用を利用して、金属を溶解加工する技術をフォトエッチング加工と言います。
そんなフォトエッチング加工はどんな技術で、どんな特徴やメリットを持っているのか紹介していきます。また、フォトエッチング加工の工程についても併せて紹介します。
フォトエッチング加工とは
フォトエッチング加工は、エッチング加工技術に精密な写真技術や、精密画像技術をマッチさせた精密加工技術なんです。
フォトエッチング加工ではエッチング液による腐食加工から加工材料表面を保護するマスクとして、一般的にレジストが用いられるため、フォトレジストエッチング加工とも呼ばれているのです。また、精密写真や腐食技術の応用でエレクトロニクス製品などにおける極小部品や複雑な形状の製品など、薄板金属加工における超精密な加工要求にも対応可能な加工方法です。さらにCAD/CAMシステムによって作られたデータを元としてレーザープロッターから、高い精度の描画パターンを作ることでかなり精密な目的形状のマスキングを施すことも可能なんです。
つまり非常に高精度のエッチングパターンに、エッチング液を用いて腐食加工を施すことで、極小品や極薄板品、任意形状や複雑形状の清潔金属加工ができるというわけなのです。
フォトエッチング加工の特徴やメリットとは
フォトエッチング加工の技術には優れた特徴やメリットがあります。
フォトエッチング加工では、任意の形状に加工ができる特徴があり、数値化されたCADデータでなくても、任意形状の加工ができメリットなんです。
なぜできるのがと言えば、フォトエッチング加工では写真画像として取り込めるものがあればエッチングパターンを作成できるからです。例えばイラストなどについもスキャニングで、画像として取り込むことによって、そのままの形状を再現できます。
さらにフォトエッチング加工では、フィルムマスクが一般的な金型より安く、短時間で作成できるメリットがあるんです。またプレス加工での金型に相当するフイルムマスクは、変更を用意なのが特徴で、スピーディーな対応が可能なため、試作品などの小ロット品を、プレス加工よりも短い期間で提供できるのです。
そしてフォトエッチング加工は、化学的な腐食をベースにしてるので、エッチング加工をするときには素材の厚さが薄ければ薄いほど、シャープで高精度な加工ができるんです。また化学反応や腐食による溶解加工は、非接触加工なので、フォトエッチング加工ではプレス金属金型加工で心配される抜きやせん断加工のバリやカエリ、ひずみ、たわみも原理的に発生しないのです。
そしてエッチングパターンは、CAD/CAMデータとレーザープロッタを用いた精密写真技術によるフィルムマスクで作られるため、微細で複雑かつ精密な形や微細貫通加工を高密度で行えます。
さらに板厚の半分だけを残し腐食加工するような凹凸の加工や、溝加工を行うこともでき特徴の一つなんです。これはハーフ加工と呼ばれるハーフエッチングを行うことにより可能になります。ハーフエッチングでは腐食加工の度合いを制御することで、凹凸の深さを調節することができます。
フォトエッチング加工の工程
フォトエッチング加工ではまずアートワークて言われる原版を作成する工程を行います。この工程では製品の設計図に従ってレジストマスク版のCADデータを作成します。
次に、材料の表面を洗い整える前処理を行い、さらに耐食性を持つレジストフィルムを材料の表面全体にラミネーターで熱で貼り付けるコーティングを行うんです。
そしてCADデータを描画データに編集し、レーザープロッターで描画しエッチングマスクを作成します。その後コーティングされたレジストフィルムに光を照射する露光をし、露光機の材料表面に残った不要なレジスト部分を溶解する工程の現像を行うんです。
そしてエッチング液をスプレーで材料に噴射し、金属露出部分を除去するフォトエッチングをし、エッチング加工したあとの材料に付着したレジストを除去する剥離を行うのです。その後寸法の検査や外観の検査をするのが工程なんです。
まとめ
フォトエッチングとは、エッチング加工技術に精密な写真技術や精密画像技術をマッチさせた精密加工技術だと分かりました。
また特徴は写真画像として取り込めるものがエッチングパターンを作れるため、任意形状に加工できると言えるのです。そしてフォトエッチング加工の工程はアートワークから始まり剥離をしたら、検査すると分かりました。
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